resize.fm

About Face 3 — Goal Directed Design

「About Face 3」のチャプター1〜3を読んで、ゴールダイレクテッドデザインの考え方について話しました。

Chapter1 ゴールダイレクテッドデザイン

人間本位のデザインの定義

この定義には、表面的なデザインだけでなく、時間尺度の長い体験的なデザインというのはもちろんのこと、ビジネスロジックや技術、マーケティングも含めて実現したうえで、継続的に提供できるようにするための計画全体のことがデザインであるとしている。

今でこそBTC(ビジネス、テクノロジー、クリエイティビティ)のどれもを兼ね添えることがデザイナーとして重要だという考えがあるが、アラン・クーパーはこの頃から同様のことを訴えている。

ただし、ゴールダイレクテッドデザインのチャプターの中では作る人(実際に開発する技術者)とデザインする人は、利害が対立する部分があるので役割を得分けて別々の人がやるべきだとも書いている。

技術的な制約や開発の効率性を考えがちなエンジニアがデザインを考えることは難しいと考えていたのかもしれないけれど、今はそういった複合的なスキルを身に着けた上で、どういった配分にすべきかというバランス感覚が求められているように思う。

ゴールダイレクテッドデザイン

ユーザーの抱えている課題やそれを解決するための行動を理解し考え、デザインすることをかつてドナルド・ノーマンは「行動中心デザイン(Activity Centered Design)」という方法として提唱していたが、この方法では製品を差別化するような画期的なソリューションやユーザーを本当に満足するようなプロダクトは生み出せないと言っている。

デザイナが最初に考えるべき問題は、ユーザーが「なぜ」そうしたいと思うのかという部分であり、人々のあらゆる行動を駆り立てている「ゴール」は何かというのを明らかにし、理解することだ。

これは、takramの「デザイン・イノベーションの振り子」という本にあるリフレーミング的な手法によって、もっと大きな枠組みの根源的な欲求を追求すべきだということだと考えられるかもしれない。

言い換えると、とある課題を解決したい人はどういう人なのか、その前後のコンテクストは何なのか、課題を解決した先にどういうビジョン(こう有りたいという理想の自分)を持っているのかを言語化し理解することが大切だということです。

その人の「ゴール」という根源的な行動原理の大本を理解することができれば、そこに向かう道のりにどんなハードル(課題)が存在するのか、何を重要視するのか(優先順位)が明らかになり、ユーザーの目の前の課題を解決するだけじゃない、本当の意味での人間(の生き方)に寄り添ったデザインが提供できると考えられている。

この考えに基づいて、デザイナはユーザーの調査、ユーザーのモデリング(ペルソナの作成)、コンテクストシナリオ(ペルソナのゴールをどのように達成するか)や要件の定義、サービスや情報の設計を行っていく必要がある。

まとめ

Chapter2 実装モデルと脳内モデル

Chapter3 初心者、上級者、中級者

永遠の中級者

→結果、永遠の中級者が多くを占めることになる

考えるべき3つの目標

  1. 初心者が苦痛を感じることなく、すみやかに中級者になれるようにする
  2. 上級者になりたいと思っている中級者の前に障害物を置かない
  3. 何よりも、永遠の中級者がその位置に留まる限り幸せでいられるようにする

(余談)上級者を志向する人のために配慮されたデザイン

resize.fmへのご意見・ご感想は、 おたよりフォーム から送っていただくか、Twitterで #resizefm をつけて投稿してください!

※ご意見・ご感想は配信内でご紹介させていただくことがあります